市立旭川病院が医師の給与削減!さっさと統廃合するほうが良い理由

こんにちは、くらげプロです。

9月11日、北海道旭川市の市立病院が医師や看護師らの給与を2年間削減する方針を決め、関連議案を定例市議会に提出しました。

職員給与を削るのはよほどのことですが、そこまでしなければならないほど、経営状況は切迫しているようです。

しかし、経営計画を見るにつけ、なんら抜本的な改善が見られないどころか、そもそも公的病院の存在意義はなくなっていると考えられます

狭小な視点で身を切る改革ができず、結局は税金を垂れ流す構図は変わらないでしょう

私の結論とすれば、さっさと統廃合してなくす方が市民のためです。

今回は、なぜ市立旭川病院の経営計画がうまくいかないかを解説します。

あまり一般の人にはなじみのない話題と思いますが、税金が垂れ流されている構図と、何ら改善できないんだなということがわかると思います。その税金分のお金があれば市民に還元できるものを。。。

市立旭川病院の赤字の現状:典型的な公立病院

市立旭川病院は人口およそ34万人の北海道の地方都市、旭川市の市立病院です。
診療科目は24科、病床数は478床です。
公立病院の7割は赤字と言われています。
残念ながらその例にもれず、市立旭川病院は21年連続で赤字を垂れ流している状況だったようです。
驚くことにその累積欠損金は164億円に達します。
民間病院なら当然潰れているでしょうが、税金がその分投入されているということです。

2017年4月9日の北海道新聞旭川支社による市立旭川病院の事業管理者である青木医師へのインタビューで以下のように発言しています。

 ――旭川は医療機関が充実しており、公立病院不要論も聞こえてきます。

 「公立病院は地域医療を守る最後のとりで。採算面から民間が敬遠するような医療を確保する使命があります。だから赤字でもいいということではなく、厳しい財政下でも良質でレベルの高い医療を提供し、選ばれる病院を目指します」

公立病院の人はこういうこと言うんですよね~

いかにこの言葉に実態が伴ってないか説明していきます。

市立旭川病院がいらない理由

そもそも、旭川市内に総合病院は他に4つあります。
人口当たりの医師の数も相当多いです(人口10万人当たり医師数:全国233.6人、上川中部320.5人)。
「公的病院の役割は何か?」
と聞くと、皆一様に「地域医療の最後の砦だ」なんてことを言いますが、過剰ですから必要ないんです。
病院の病床数で言いますと、
北海道地域医療構想では、上川中部構想区域での平成37年(2025年)の必要病床数の推計として、
病床機能別では, 急性期が 1,091 床過剰となっており,回復期では 1,158 床不足となっています。
そして、市立旭川病院は高度急性期 173 床,急性期 120 床,回復期 38 床  です。
先のインタビューで管理者の青木医師が述べているような「採算面から民間が敬遠するような医療を確保する使命」があるなら、さっさと回復期病床に変えたらいいんですよ。
それを他の民間総合病院と競って急性期ばかりなのは、それが儲かるからです。
⇒しかし、民間病院と競争になり、結局は民間病院の質と効率運営とには勝てず赤字を垂れ流して税金で補填しているんです。
なぜ過剰な場所で、過剰な競争で、税金を投入しながら維持しなければいけないのか
その理由はなんですか?ということです。

医師の給与削減という愚策も、経営計画のおそまつさ

また、病院のH29~33年までの第3次中期経営計画を見ましたが、とても立て直しはできないでしょう。
今回のニュースになったように医師および看護師の給与を削減するというかなり特殊な人件費削減策をだしてきました。
その給与削減で1億3000万円くらい支出を削るようです。
ただ、2~3年限定でしかも一般事務職員については対象に含まないとのこと
公的病院が民間病院より経営状況が悪いのは、なんせ人件費が高いからです。
公立病院の給与は医師は低いのに、看護師含む他医療職と、一般事務職の給与が高いそれは厚生労働省の報告書でも明らかです。
そこにメスを入れずに医師給与を削減って愚策としか言いようがないですね。結局旭川医大の医局員の派遣で、その末端医師に負担がいく構造じゃないですか。
また、第3次中期計画では、H33年の目標として、救急車搬送件数を200件増やして、病床利用率を5%増やす目標なんです。
これでも、医業収益はH28年から比べて2億しか増えてないんです。
それなのに、材料費は3億減ってる。単純にやることが増えてるのにかかる費用をこんなに減らしているって整合性ないでしょう。
経営計画の数字に現実感ないですね。

まとめ

抜本的に構造改革しないと、結局税金が垂れ流される構造は変わりないでしょう。
これは日本全国の公的病院の7割が赤字ということで、その経営状況を分析しても同様です。
以前、他の公立病院経営について意見を求められて述べたことありましたが、全く一緒です。
そもそも、なぜ公的病院がそれをしているのか?
足りないことをするほうが良いのに、足りてる急性期ばかりやって、病床稼働が伸びない、医業収益が伸びないと言ってます。
結論としては、公的病院の存在意義がないんだったらなくした方がいい。
存在意義としては医療構想で病床が足りてるものは公的に担う必要はない。「医療の最後の砦として採算面から民間が敬遠するような医療を確保する使命」ならさっさと回復期やれよって話です。
税金の無駄遣いせず、粛々と統廃合しなさい。
それが旭川市の財政にも良いし、ゆくゆくは市民のためになるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 日本から逃げ出した医師 より:

    そうとも言えないと思います。
    民間病院は利潤を追求しなければいけません。利潤を追求するためには、儲かる検査や治療をする。民間病院は概ね、過剰にそれをやっています。一病院、地域だけでものを考えるのはまさに木を見て森を見ずです。日本という国を考えたとき、医療費を減らすことは急務です。利潤を追求する民間病院は医療費を増やすばかり。ですから、基本は公的病院で回して中央統制をしっかりする必要があるのでしょうが、中央統制ができないからそれも難しい。結局は、日本の医療システムは一度潰れるしかないのだと思っています。

    • くらげプロ より:

      考えの中心は一緒と思います。
      そもそも医療なんて必要最小限で提供される方がいいのに、事務に「○○科の売り上げが低いから上げろ」など本末転倒だろということが山ほどありますし、大嫌いです。
      しかし、この記事の本質は、「公立病院は(利潤を追求しないため)最後の砦だなんて言っているが、利潤を追求しようとしているし、足りないところを補うという役割に徹しろよ」ということです。
      仰るような、基本は公的病院でまわしてというのは現状から考えると無理でしょう。
      中央統制のシステムとしては診療報酬の手綱を握っているというのは一つの統制です。なので、オプジーボが高額すぎて医療費を圧迫する危機感が高まったときに、民業圧迫ともいえる反則ぎりぎりな改定をおこないました。ヤバいと思ったらやるときはやるんだなと感心したものです(ヤバいと思うハードルはもっとあるだろうがとも思いますが)。
      私も日本の医療システムは一度潰れて再生させるようなハードランニングしかないのかと思っています。
      それほど、社会保障制度全体としても国としても小手先の対応だけで、批判を承知で抜本的に改善しようとする政治家が出てこず、それは国民性としてもう無理かもと悲観してしまいます。

  2. 唐変木 より:

    指定管理者で診療所を運営しています。
    旭川市は医師の充足率が一見高そうですが、過疎地の医療なのです。過疎地の医師確保は報酬をある程度確保しないと、良質な医師は確保できませんよ。この市立病院は、常時20名程度の医師不足に直面していませんか。
     退職した医師の話では「自治労系労組」と「全労連系労組」の他にも労組があるそうで、春闘時期になると「合理化反対」と患者そっちのけの「自称闘争」で混乱するそうです。各診療科ごとに労組分会があり矢面に立つのが管理者の医師。厚生連も日赤も労組はあるけど、患者第一となって生き残りをかけています。公立病院は、患者に対して仕事が増えると、嫌な顔をする職員も未だにいます。公立医療機関はそろそろ使命を終えている事に、気づく時です。整形外科・産科ともに医師が不在の公立病院は、存在価値さえありませんね。それにしても、旭川市立病院の備品類の立派なこと。民間では買えないですよ。

    • くらげプロ より:

      コメントありがとうございます。
      >旭川市は医師の充足率が一見高そうですが、過疎地の医療なのです。
      どこのデータをもとに言っているのですか?道東・道北の医療も担っているのでそこまで入れると足りませんが、上川中部医療圏は足りてますよ。いわんや旭川市なんて充足してます。旭川市立病院の話なので、旭川市の急性期を考えると赤字を税金で補填しながら維持する必要はないという話です。
      労組が絡むと混乱しますね。矢面に立たされるのは、大変そうです。