長時間労働は高血圧のリスク要因!

こんにちは、くらげプロです。

昨今、「長時間労働は健康に悪い」ということで、国を挙げて企業に是正が指示されています。

長時間労働は心筋梗塞や脳卒中などの心・血管系疾患、うつ病などの精神疾患の増悪する原因だということです。

労災認定でも、裁判例でも一定程度の残業時間があれば因果関係ありと認められます(過労死基準:法外労働時間2~6か月平均で80時間超)。もちろん、業務の内容も含めて勘案されますので、残業時間だけが重要ではないですが、80時間以上あるとほぼ無条件に認定されやすいというのは確かです。

今回、長時間労働が高血圧のリスク要因という研究が出ていたので紹介します。

実は長時間労働⇒健康悪化はそれほど明らかではない

実は

『長時間労働 ⇒ 健康障害』

というのは、あまり今までの研究では明らかではありません。

関連が出たりでなかったりで一貫してません(藤野ら.産衛誌 48 : 87-97, 2006)。

では、なぜ、長時間労働が健康に良くないということが共通認識かというと

『長時間労働残業 ⇒ 睡眠時間短くなる ⇒ 心血管疾患・精神疾患』

というロジックです。

睡眠時間と心身への悪影響はかなり知見があります。

例えば、過去 1 年間の勤務日の睡眠時間が 1 日 5 時間以下では、6 ~8 時間に比べて心筋梗塞リスクが 2.5 倍とのことです(Liu Y, et al. Occup Environ Med 2002;59:447-451. )。 

そして長時間残業 ⇒ 睡眠時間短くなるだろう との推測です。

上記のような推測で、

80時間以上の残業 ⇒ 睡眠時間6時間未満 ⇒ 健康への悪影響

この3段論法みたいな理屈で長時間労働が健康に悪いとなっているのです。

長時間労働だけで血圧のリスク

ただ、そうは言っても、やっぱり長時間残業は健康には良くないだろうって感覚としてわかるじゃないですか。なので、ちょっとずつ研究も出てきています。

先日、長時間労働と血圧の直接的な関係の論文が出たので紹介します。

カナダのLaval UniversityのXavier TrudelらはHypertension(2020; 75: 532-538)に論文を発表しました。

カナダのケベック州の公務員ホワイトカラー3,547人を対象とし、24時間行動化血圧計(ABP)を用いて、血圧を5年間測定した。

結果、労働時間が週35時間未満群に対し週49時間以上群では持続性高血圧リスクが66%(罹患率比1.66, 1.15-2.50)上昇した。

ということで、もちろんこれも睡眠時間による中間因子が存在しているのかもしれませんが(調整されていない)、また一つ知見ができました。

科学とはこういう一つ一つの知見の積み重ねです。

まとめ

長時間労働・残業は健康に悪影響ということで、働き方改革が進められています。

ただ、『長時間労働・残業⇒健康障害』という関連は、実はあまり研究結果が出ていないということ、その中でも最近の直接的(と考えてもいいかな)という論文を紹介しました。

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