インフルエンザの知識、総まとめ!

こんにちは、くらげプロです。

今年の冬は例年以上にインフルエンザが猛威を振るっているようです。ここで、インフルエンザについての情報をまとめてみましょう。予防、検査、治療など網羅してみました。あなたの知識が本当に正しいかどうかチェックしてください。

インフルエンザの症状。風邪(かぜ)との違い

インフルエンザと風邪はここが違う。

  インフルエンザ かぜ(普通感冒)
発症時期 冬季に流行 1年を通じて散発的
症状の出方 急激 ゆるやか
発熱 高熱(38℃以上) 通常は微熱(37~38℃)
主症状(熱以外) 関節痛筋肉痛、頭痛、倦怠感、咳、のどの痛み くしゃみ、鼻水・鼻づまり、咳、のどの痛み
ウイルス インフルエンザ ライノ、コロナ、アデノ等

インフルエンザは全身症状で、風邪は上気道症状という言い方もします。

インフルエンザの予防法

一般的なものからワクチンまで医学的に説明していきます。

何はなくともまずこれから!うがい、手洗い、加湿

日本人であれば物心ついた時から習慣づけられるうがい。実は世界的には広まっておらず、うがいが予防効果があるのか医学的な研究は少ないのですが、うがいによって風邪の発症が4割抑えられたとの研究があります。

出典Satomura K, Kitamura T, Kawamura T, et al. Am J Prev Med 2005; 29: 302-7.

ちなみに、風邪の発症を4割抑えたのは水でのうがいで、うがい薬のヨードを使った場合は効果がなかったという研究結果になっています。なぜかという解釈はいろいろ考えられますが、とりあえず、水でうがいしよう!ってことで覚えましょう。

しかし、インフルエンザに効くかどうかは微妙なところです。また、のどの炎症・痛みを抑えるなどの研究もあったはずなので、少なくともやっておくことに損はないのでバンバンやりましょう。

手洗いが感染予防に重要なことは確実で世界標準です。手洗いはしない場合にウイルスが1,000,000個ついているとして、ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎで数百個0.01%になります

出典 森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006

気を付けることはほとんどの人がすすぎの時間が短いので、一度15秒計ってみてください。「え?こんなにすすぐの?」って思うはずです。

加湿は二つの理由で重要で、乾燥すると、

1、ウイルスが飛散しやすくなる。

2、粘膜が乾燥すると防御機能が弱くなる。

からです。マスクをした方がいい理由は飛散させないということもありますが、主に2、の理由が大きいです。特に夜に乾燥しますので、寝るときにマスクをして寝ると鼻やのどの粘膜が乾燥しづらくなるので、風邪をひきにくく、治りやすくなると考えられます。部屋自体も加湿器を使ったり、濡れたタオルを干しておきましょう。

ちなみに、湿度70%を超えるとカビなどでアレルギーの確率が上がってしまうため、加湿器の清掃はこまめにして、湿度は50~60%くらいにしましょう。

また、咳エチケットも感染拡大しないように重要です。こちらは別記事でまとめましたので、こちらをどうぞ。

今や対人関係のマナーとも言える、咳エチケット。何もしないで咳やくしゃみを平気でしているとマナーの無い人に見られてしまいます。しかし、やってるつもりの人でも間違ってる人が多いんです。正しい咳エチケットとは??

ワクチン接種のあれこれ

風邪はワクチンで予防できませんが、インフルエンザは予防できます。毎年11月頃になるとインフルエンザのワクチン接種の話が出てくると思います。

なぜ毎年予防接種するのかと言いますと、インフルエンザウイルスはいくつかのタイプがあって毎年形を変えています。一度インフルエンザに罹って身体の中に免疫という防御機能ができても、形が変わっちゃうと働かないんですね。

なので、毎年、流行しそうなウイルスの形を何個か予想して薬を作って、流行る前の11月頃から病院に並びます。

インフルエンザワクチンは実際に効果があるのか??

ワクチン接種の効果としては2つあります。

  • インフルエンザになりにくくする
  • 罹った場合に重症化しにくくなる

どれくらいインフルエンザになりづらくさせるかというと(「え?ワクチン打ったらインフルエンザにならないんじゃないの?」なんて言わないでくださいね。医療には100%なんてものはないです。)、

ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すならち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。

厚生労働省インフルエンザQ&Aより

ということのようです。ただ、ワクチンは集団で受ける人が増えるほどその集団内ではなりにくくなるので、集団接種率が高まれば、効果がより実感できます。

また、2の重症化しにくくなるのは重要で、後述しますが合併症を起こして重症にならなければインフルエンザなんてかかったところで薬なんていらないんですね。

※注意事項

ワクチンは注射を打ってから効果が出るまでに2週間ほどかかります。また、13歳未満は2回接種となっております。早いと12月頃には流行りだしますので、12月までには済ませておくほうが良いです。周りに流行りだしたからワクチン打つのでは遅いです!

インフルエンザの調べ方

さて、体調が悪くてインフルエンザかもしれない!病院ではどのように調べるのでしょうか。

迅速診断検査キットというので調べます。鼻から細長い綿棒を奥まで入れて10秒程度、粘液を取って専用の液につけます。すると、10~30分以内に判断できます。

細いとはいえ鼻の奥まで綿棒入れるので痛いです。私は通りやすい方にそーーっと入れていくので優しい方と自認してますが、「すみませんが痛いです。小学生でも我慢してるので我慢してください。」と言ってます。口を開けて喉の奥だけグリグリやる検査方法もありますが、検出力が下がるとも言われています。

この検査キットは種類がたくさんありますが、およそ感度80~90%、特異度97%、くらいのようです。この意味は、もし+で出たら97%の確率で本当に+(インフルエンザにかかってる)。-ででたら80~90%で本当に-。つまり、マイナスで出たとしても1~2割はインフルエンザなのに見逃しちゃってる、ということです(これを偽陰性といいます)。

ですので、もしマイナスが出て、「あー、インフルエンザじゃなかったから旅行に行ける。」なんてことはやめていただきたいんです(本当にこういう患者さんいました)。もし偽陰性ならウイルス巻き散らかしてるので。

ちなみに、高い熱が出ていない。熱が出てから8~12時間未満、のときには感度は下がるといわれているので、より不正確になるということです。朝から高い熱が出たという人は夕方くらいまで待ってから検査を受けるほうが、より正確ということですね。

インフルエンザの治療

錠剤から、何回か吸えば治療OKという吸入タイプまでいろいろあります。いずれも発症してから48時間以内が効果的ですが、効果としては発熱期間が1~2日短縮するということ。ウイルスの排出が減り、他にうつす機会が減るということ。合併症を起こす可能性がなければ必ずしも使う必要はありません。一番の治療は水分補給と睡眠です!

合併症とは?起こしやすい人は??

肺炎、脳炎などの合併症が起こると重症になる。重症化しやすい人は高齢者、慢性疾患のある方(心臓病、肺疾患、腎臓疾患)、糖尿病、乳幼児、妊婦など

⇒つまり、『18歳から60歳未満程度の基礎疾患のない普段元気な人で、トイレなど自分で立って行けて、水分補給もできる、ご飯も少しなら食べるくらいの元気ある人なら大丈夫!水分とって寝てよう! 当てはまらない人は病院で診てもらおう』と覚えてください。

インフルエンザに罹った人は外出してはいけないのか??

学校保健法という法律で、インフルエンザの人は「解熱した後2日を経過するまで」かつ「発症後5日間」を出席停止。というように決まっており、企業などもこれに準じて規則をつくっているところが多いです。熱が出た日を「発症0日」とします。そのあと5日間は停止なので、たとえ翌日に熱が下がったとしても最短でも6日目からしか出席できません。

インフルエンザの治癒証明について

治って出勤再開するのに「インフルエンザの治癒証明」を病院でもらってくるようにという会社や学校がたまにあります。そんなものは必要ないし、証明などできません。散々いろいろなニュースなどでも組織側がそういうものを「求めないように」と情報提供されているのですが、いまだにそんな会社や組織があるといけないので、ここでもしっかりと明示しておきます。

2009年に新型インフルエンザが流行ったとき、厚生労働省が治癒証明について、「従事者等の再出勤に先立って医療機関を受診させ治癒証明書を取得させる意義はないことについて、周知すること」

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/10/dl/info1016-01.pdf

上記URLでPDFが入手できます。各都道府県や保健所に通知しています。あの世界中を震撼させた新型インフルエンザのときですらこのように言っているのに、ましてや普通のインフルエンザで治癒証明などいらないことは明白でしょう。現実的に証明などできないんです。

私は今だに治癒証明書を求める組織があった場合に、このPDFを印刷して渡し、「それでも組織の上の人が納得しなければ責任者から病院に電話してください。」と患者さんに説明します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?インフルエンザにかかると、つらいですよね。あなたや周りの人たちのためにも適切な知識で対応できるようにしましょう。

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