日本産ウイスキーになんと1億円!

こんにちは、くらげプロです。

8月16日、香港のオークションで、日本のベンチャーウイスキーのカードシリーズ全54種が、719万2000香港ドル(約9750万円)の超高額で落札されたとのことです。

近年、ウイスキーは高騰してまして、特にジャパニーズウイスキーは世界的に大人気です。理由としては、美味しいのはもちろん、そこに需要と供給のバランスが崩れたことにあります。

こちらについては、以前も記事にしたことがあります。

日本のウイスキーが人気で高騰しています。なぜ人気化したのか。また人気化した結果、ウイスキーが投資の対象になっており、状況をまとめました。

今回の約1億円の値段をつけたウイスキーはベンチャーウイスキーという社名の通り新興蒸留所が販売したものなのですが、経営上実に戦略的です。これがどういうものか。そして高騰したウイスキーについて、投資家として、一方でウイスキー愛好家としてどのように感じるのかを多面的に書いていきます。

1億円のウイスキーはどういうものか?

今回のオークションで約1億円という値段をつけたウイスキーは、ベンチャーウイスキーという会社のカードシリーズというものです。

ウイスキー蒸留は東亜酒造という閉鎖された蒸留所でされたもので、それを引き継いだベンチャーウイスキーが54種類(各絵柄52種+ジョーカー2種)のトランプのボトルで、2005年~2014年にかけて順次販売しました。

それぞれのボトルは主に熟成のつくりが違って、つまり54種類の味が全部違います。

当時の値段はボトルによってまちまちですが、1万円しない程度の定価だったように思います。

54本で全部で54万円としても、それが今では1億近いとはすごい額ですよね。およそ180倍くらいですか。

では、このベンチャーウイスキーというのはどういう会社か?

2004年に肥土伊知郎氏が埼玉県の秩父で創業した会社です。閉鎖された東亜酒造の創業者の孫で、閉鎖される前に樽を引継ぎました。

現在は肥土氏自身で蒸留したウイスキーが世界的な賞をとるようにもなって有名になりましたが、なぜ、樽を受け継いだとはいえ、創業間もない会社がこんな超高額になるようなウイスキーを出すことができたのか。

それは、ベンチャーウイスキーという会社が新しい蒸留所であることと無関係ではありません。

新興蒸留所の資金繰りとしての売り出し方

ウイスキーというのは最低3年熟成させないとウイスキーと名乗れない慣習があります(イギリスでは法的に)。3年と言ってもそれですべて美味しいウイスキーができるわけではなく、10年20年と熟成させて美味しくなるものもあるわけです。

ですので、新興の蒸留所としては資金繰りが厳しいわけで、工夫します。

例えば、ニッカの竹鶴さんはウイスキーができるまでアップルジュースやアップルブランデーなどを売ってましたし、スコットランドでは初年度から樽ごと売ってる蒸留所が多いです。

そして、このカードシリーズのように、少量多品種にすることで希少価値を高めるというのは、常とう手段の一つでもあります。スコットランドではアラン蒸留所やキルホーマン蒸留所などでもお馴染みでした。

しかし、カードシリーズの特徴としては

・54種類もの圧倒的多品種で違うウイスキーを継続で出したこと。しかも1種あたり300~500本ほど

・トランプカードというデザイン性とコレクション性

・ジャパニーズウイスキーの世界的な人気のうえに、大手サントリーとニッカ以外に初めて日本でできた本気のウイスキー蒸留所であること

というような各種条件が揃って、価値が高まったと考えられます。もちろん、美味しいというのはありますよ。

特に一つ目と二つ目ですが、創業翌年から10年にわたってシリーズを出し続けるというのは創業前から相当に戦略を練っているわけです。

ウイスキー好きの投資家としてこの高騰に思うこと

以前の記事でこのように書きました。

(ウイスキー価格の高騰について)

全ては需要と供給のバランスなので、良いも悪いもないし、しょうがないのです。

ワインは昔から投資の対象になっていますが、5大シャトーのワインが高いのは嘆く人はいません。

今後はウイスキーも似たような状況になっていくと思われます。

実際に日本ではもはやエイジングのジャパニーズウイスキー(○○年と記載されているの)では簡単に手に入るのはありません。

山崎の12年ですら、です。毎年一定量造られているにもかかわらずです。

それだけ世界中からの需要がひっ迫しているのですね。

イチ投資家としては、需要が創出され価値が上がっていくものに投資していくのは正しいことですが、現在のジャパニーズウイスキーブームには懸念があります。

前述したように、ワイン業界のように「良いものは高くてしょうがない」となるのは仕方ないのですが、ウイスキー業界は黎明期ゆえに、法規制がほとんどされていません。

このブームに乗っかろうと質の悪いウイスキーを『ジャパニーズウイスキー』として海外に出している業者や蒸留所もあります。ウイスキーは酒税法で規制されているだけで、ジャパニーズウイスキーとは何ぞやという法規制がないため、グレーなことをやる業者も出ているんですね。

また、高額ウイスキーの空き瓶がメルカリなどで活発に取引されてますが、中身を入れ替えて販売している人が詐欺で逮捕されたこともあります。

せっかく世界的に評価が高まっているのに、質の悪いものを高い値段で飲んで、「こんなもんか」とがっかりされてしまう。悪評が流れてしまう。そしてウイスキー業界自体がしぼんでしまうことが、ウイスキー好きとしても投資家としても、一番懸念することです。

ウイスキー団体も動いているようですが、国としても産業の成長のために適切な監視をするのが望ましいでしょう。

まとめ

日本のウイスキーで超高額の取引がなされました。

最近のジャパニーズウイスキーの高騰はウイスキー好きとしても、投資家としても懸念すべき状況があります。

業界自体が成長するためには、悪質な業者は取締り、真っ当に美味いウイスキーとつくっている人らに正当な価値が反映されるのが今後重要なことでしょう。

 

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