部下のストレスを減らすために上司に必要な能力とは?

こんにちは、くらげプロです。

私は、産業医という企業と契約している医者もしています。

従業員が50人以上の会社は産業医と契約しなければいけないと法律で決まっています。産業医をするには医師免許だけではだめで、規定の数の講習を受けるか、労働衛生コンサルタントという国家資格を有するか、産業医大という医大出身など、いくつかルートはありますが何かしらの勉強をしないといけません。

私ははじめは日本医師会認定産業医、そのうち労働衛生コンサルタントの資格をとって、今まで10年弱で計10社を超える産業医業務をしています。毎月、最低一回は企業に顔を出して法律で定められた業務をしつつ、社員の健康に関する問題の相談を受けます。

やはり普通に診療をしているのとは一味違って、一般社会と接しているところが私は好きです。ただ、いろんな問題ごとがあるなぁと、最近は相談が増えるばかりです。

 社員の健康問題はメンタルヘルスがやはり多い

昨今の社会情勢からか、ストレスに関連した精神的な悩みが多くなっているのが実感できます。実際、うつ病や適応障害などで休職する人も多いですし、精神障害についての労災請求件数とその認定件数(発病した精神障害が業務上のものと認められた件数)の推移は以下のように右肩上がりです。(独立行政法人労働政策研究・研修機構より)

その中でも、長時間労働対策はどの企業も頭を悩ませており、心理的ストレスも増大しています。平成27年12月から国が主導して義務化したストレスチェック制度の、高ストレス該当者への対応も悩ましいです(。。。制度に問題がありすぎです)。いずれにしても、昨今の社員の健康問題はメンタルヘルス一色です

ハラスメントは絶対なくさなければいけない

メンタル不調者は原因によって社内への対応が異なります(これは大事なとこですが、本人への対応は変わりません。)。例えば、長時間労働の心身への不調に対しては、もちろん長時間労働を継続してなくす努力をしなければいけません。現実問題、なかなか労務量や管理を改善していっても急にはなくならないのが現状ですが。

一方、すぐにでもなくさないといけないのは、ハラスメントです!

いろんなメンタル不調(最初はメンタルと分かってない身体の不調も)の面談がありますが、まず聞かなければいけないのは、ハラスメント(個別の嫌がらせ行為)がないかどうかです。セクハラ、マタハラ、パワハラなど、種類は何でもとにかくハラスメントがある場合は、産業医の面談どうこう言っててもらちがあきません。

企業全体の人的、法的、金銭的など様々な損失につながってしまうので、疑わしければハラスメント委員会などをつくって調査しなければいけません。

と、その一方で、実際ハラスメント認定するほどなのか線引きが悩ましいことが多いのも現実です。要は、『上司の能力が低いせいで部下へ心身の負担がかかっている』場合、これに結構悩んでいる会社や部署が多いです。そのような場合は産業医業務の範疇ではなく、上司・人事・総務などのマネジメントの問題なのですが、その領域についてのアドバイスをすることも増えています。

部下にストレスを与えない上司の能力とは?

イギリスの安全衛生庁という国の機関で調査した結果、部下のストレスを予防・軽減するための上司の能力(management competency:マネージメントコンピテンシー)は以下のようだということが公表されてます。

management-competencies

4つの領域に計12のサブ要素があり、これらの要素を高めていくことが上司のマネジメント能力に直結するようです。管理能力の評価に際しても、これらの要素に良い~悪いなどの5項目で点数付けをすることで客観的な評価ができます。

私が最近面談したメンタル不調者の件でも、上司がうまく対応できていればもう少し心身の負担が減っていたのではないかということがありました。もちろん原因は様々ですので、一人の上司が対応しきれないことや、本人の問題のこともあるので難しいですが、逆に上司の対応次第で乗り越えられる問題もそこそこあるだろうなと思います。

私自身も小さいながらも法人を経営してますので、部下への教育に悩むことがあります。どう接していけばよいか考える際に、この表の項目を充実させるように行動しようと心掛けてます。

まとめ

産業医として社員の様々な問題に対応することがありますが、昨今はやはりメンタルヘルスの問題が多いです。そのなかでも、ハラスメントは徹底してなくすように全社的取り組みが必要です。ハラスメントまでいかなくても、上司のマネジメントが悪くて心身の不調に繋がっている部下もいて、マネジメント能力の向上が社員の健康に資することも多いです。

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