健康診断は問題だらけ!改善を世界から促される

こんにちは、くらげプロです。

みなさん、健康診断をやったことがあると思います。特に働かれている方は、毎年職場で健康診断があるでしょう。

しかし、健康診断には様々な問題があります。

以前、以下のような記事を書きました。

健康診断を受けたことがある人は多いと思います。みなさん、その結果を気にされることは多いのですが、産業医の立場からすると、健診自体のことをあまりわかっていない事業者と労働者が多いように思います。そのリスクとはなんでしょうか??

今回は、健康診断そのものが効果が乏しく、無駄が多く、改善するほうがよいと、世界から指摘されてしまったので、お伝えします。

OECDから健診の見直しを指摘される!

今年2月に、OECD(経済協力開発機構)から、公衆衛生に関わる提言という報告書が出ました。

OECDでは、加盟国の高齢化に伴う(それだけではないですが)医療費の増大が経済社会に及ぼす影響が大きくなりつつあるため、医療制度の国際比較や、より効率的で質の高い医療制度に関する提言を行ってきました。

今回の報告書はこちら

OECD Reviews of Public Health : Japan

さて、このなかで、健康診断に関しては以下のようにSummaryで書かれています。

It is not clear that all tests are adding value to the system either in reducing disease, or reducing health costs, and the risk of duplicative tests, waste, over-diagnosis and even unnecessary exposure to harm (e.g. through x-ray radiation) should not be ignored.

つまり、

「(健康診断で多くの検査項目をしているが)すべての検査が病気になるのを減らしたり、医療コストを減らしたりという価値をもたらしているかどうかは明らかではなく、重複する検査、無駄、過剰診断、X線検査の被曝のような有害な事象、になるリスクを無視すべきでない。」

ということが書かれています。

ちなみに、一般健診のみならず、メタボ特定健診も

「効果があるという医学的根拠がない。」

がん検診に対しても

「検査項目や頻度がバラバラで、科学的根拠に基づいて検査の質を向上させるように」

と、さんざんな意見が出ております。

以前、健康診断の問題点の記事でも指摘しましたが、法定項目でさえ疾病罹患や死亡率を減少させる医学的根拠に乏しいのに、法定項目外検査まで追加している企業が多い現状です。しかもいろんなリスクを負って。

そのかかる費用を社員に還元してあげるほうが、よっぽど社員は喜ぶでしょう。

OECDからの改善の提案は?

「健診を提供する側、お金を出す立場、健診を受ける人も含めて必要性の検討を」

この一言に尽きます。

また、他の重要な課題があるだろと突っ込まれてます。

日本人男性は喫煙率が高く30.2%(OECD全体では23.0%)。受動喫煙率も高い。女性の飲酒量も高い。

それらのことに懸念を示し、健診を合理化し、健診に偏ることなく、喫煙対策などの優先課題を決めた病気予防のための包括的な政策を取るべきだと指摘しています。

これは、根拠の薄いポピュレーションアプローチより、効果の明らかなハイリスクアプローチを重点的にするほうが効率的だということです。

そりゃそうだ。

実際、健康診断の医学的根拠は否定される結果が相当出てきているのに、日本って一度決まったものを変えることを本当に嫌がりますよね。それで多大なる無駄が出てしまうというのに。

事業所が、何が社員のためになるかを考える

利益関係を言うと、健診は健診機関や医療機関(特に開業医)の収入になっており、医師会をはじめ業界団体はこのような提言を認めようとしないでしょう。

厚生労働省もそれを忖度してか、このOECD報告書を広めようとしません。

では、実際お金を出すのは事業所なのですが、「医療はよくわからない」「なんとなくやったほうがいいだろう」というだけで、健診機関の勧められるままに検査項目を増やしているようです。

また、健診項目を増やすのは「ちょっとした会社の負担で従業員が健康でいられるなら」という優しさもあるでしょう。

しかし、それは無駄かもしれないし、望まれてもいないかもしれないし、かえってリスクを負っている可能性もあるのです。

従業員はその分を給与や賞与に上乗せするほうがよいと思うかもしれませんよ。

まとめ

OECDから日本の公衆衛生政策に対しての様々な提言がありました。そのなかで、健康診断については、予防としての医学的根拠のない検査項目が多く、もっと合理化した方がよいと言われています。

今後ますます医療における財政は逼迫していきます。民間企業も苦しいところが多いです。費用対効果を高める政策を国も民間も考えていく必要があるでしょう。

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