医師の残業上限、年1860時間=過労死ラインの倍で大筋合意

こんにちは、くらげプロです。

この4月から施行の「働き方改革」ですが、労働者の残業時間は月上限80時間、年では720時間(月平均60時間)が上限となっています。

医師は労働者なのになぜか労働環境が厳しいままなのですが、以前以下の記事を書きました。

医師の残業時間の上限が2000時間と制度案が出ました。医療システムの不備を医師個人と、医療を受ける患者さんがリスクを負って補っている歪んだ構造です。問題の解決のためには病院の集約化を行い、常勤医待遇を良くしていくことが必要でしょう。

この時は、案として年の上限が2000時間( 月当たりで167時間 )まで容認するという話が出てたので批判したのですが。

先日まとまった案としては、年1860時間(月平均155時間)のようです。結局はいわゆる「過労死ライン」(平均80時間)の2倍近くになります。

一応補足事項も書いておきます。

一般の勤務医の上限は一般労働者と同水準の年960時間とする。一方、地域の医療提供体制確保の必要性からこれを超えてしまう医療機関の勤務医のほか、一定期間に集中的な診療を必要とする研修医や高度な技能の習得を目指す医師は年1860時間まで容認する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000050-jij-pol

これ、結局病院の上の人らは、どの医師も年1860時間にするでしょう。「医師提供確保の必要性」って言っちゃえばいいわけですからね。何の基準もなく全く実効性のない文言になってしまいました。

医師の超過勤務を容認しないのは医師のためだけではありません。結局は患者さんに不利益なことが起こる可能性があるからです。

医師の過剰労務は患者の不利益になる

常勤医師医師・看護師長・薬剤部責任者を対象にした 「2018年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」の報告書案では、勤務状況改善が必要な理由として、医師自身が「患者さんの不利益になるから」と考えていることが明らかになりました。改善の必要性は「高い」と「ある」を合わせて52.5%に上り、その理由は「患者が不利益を被る可能性」32.4%、「業務を継続していけるか不安」20.7%、「ワークライフバランスがとれていない」19.4%などでした。

日本の病院のいたるところで、前日から日勤⇒当直勤務でほぼ寝てない人が翌日も勤務しているところがまだありますが、患者さんとしてそのような寝てない人に手術してほしいですか?

絶対嫌ですよね。

そんな当たり前のことを、患者さんに知らせることもせず、病院が成り立たないという単なるシステム上の問題で、なんら改善しないという日本の医療の歴史でした。

改善しようとすると今医療サービスを受けてる患者さんが不利益を被るかもしれないという理由で、結局、なんらシステムは変わっていません。

ただ、「かもしれない」というだけで現実問題は起きてないのに、現在で過労死ラインを超えてもOKって、どう考えてもおかしいでしょう?

パイロットは疲労対策で最低10時間休め!

先日、国土交通省は パイロットの新たな疲労管理基準を公表しました。

『疲労による事故やインシデントやを防ぐために、勤務終了から次の勤務までに最低10時間の休憩を義務づける「勤務間インターバル」を導入する。』

飛行機を操縦する人は、事故が起こると命に関わるので、当然ながら体調管理をしっかりする必要があるとのことです。

事故が起こると命に関わるのは医師も同様ですが?

まとめ

医師の残業時間の上限が年1860時間(月平均155時間)になるようです。いわゆる「過労死ライン」(平均80時間)の2倍近くになります。

以前の記事でも述べていますが、医師の勤務に制限を設けると患者が不利益を被るかもしれないという建前で、結局は患者さんに不利益になるかもしれないという矛盾を隠すように正面から対応しません。

これは制度を決める場には医師会と、病院のトップ層しか参加しないからでしょう。勤務医の意見は反映されません。

これで良いのでしょうか?

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする