高脂血症の薬:スタチンの副作用は筋肉痛に注意!

こんにちは、くらげプロです。

内科の外来や、健診で異常となることが多い、高脂血症

中年以降の方は指摘されたり、治療をしている方も多いんじゃないでしょうか?

治療薬として一番使われているのはスタチンという種類の薬です。

このスタチンは、筋有害事象(SAMS)という副作用に注意が必要です。

筋有害事象って何?

筋に有害なことが起こるの?

どのような副作用なのかまとめていきます。

高脂血症の概要

まず、高脂血症はかつての名前で、今は正式には脂質異常症という診断名です。高コレステロール血症と言われることもあります。

ややこしいですね。

コレステロールは大まかに分けると、善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあります。

善玉コレステロール=HDL-コレステロール=血管の壁に付く悪玉コレステロールを掃除してくれるいいヤツ
悪玉コレステロール=LDL-コレステロール=血管の壁に付いて動脈硬化⇒心筋梗塞、脳卒中などにつながる可能性

脂=コレステロールでも、善玉(HDL)は高いと良い、低いと良くないので高脂血症は紛らわしい。

(実は高HDL血症はCETP欠損症という病気の可能性もあるので注意です。)

そして「脂質異常症」という名称となりました。

ということで、高い低い紛らわしいですが、

『高LDLコレステロール、低HDLコレステロール、高中性脂肪』

いずれもが身体によくない状態で、「脂質異常症」です。

厚生労働省による平成26年の患者調査だと脂質異常症の治療している患者数は206万2千人となっています。

治療の基本は生活習慣、それから薬

まず生活習慣の改善が基本です。日本動脈硬化学会の脂質異常症治療のエッセンスより抜粋。

・ 禁煙し、受動喫煙を回避する

・ 過食を抑え、標準体重を維持する

・ 肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を増やす

・ 野菜、果物、未精製穀類、海藻の摂取を増やす

・ 食塩を多く含む食品の摂取を控える(6g/日未満)

・ アルコールの過剰摂取を控える(25g/日以下)

・ 有酸素運動を毎日30分以上行う

よく言われる、「食事と運動に気をつける」ということですね。

これらの生活習慣の改善をしても、血液検査で基準値を外れていると内服薬での治療の対象となります。

薬はスタチンという種類が一番使われている

脂質異常症に対する薬は様々な種類がありますが、一番よく使われているのがスタチンという種類です。

商品名としては、

『○○スタチン、メバロチン、リポバス、ローコール、リピトール、リバロ、クレストール』

などです。

スタチンは、最も強力にLDLコレステロールを下げ、中性脂肪も下げ、HDLコレステロールを上げる作用があります。

結果として、心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防となります。

ちなみに、日本人が発見し、世界に率先して開発をしてきた経緯があります。

実際、脂質異常症の治療では一番よく使われているのではないでしょうか。

しかし、スタチンに限りませんが、薬というのはどんなものでも副作用があります。

スタチンの副作用で筋肉痛が起こる!?

スタチンは、どの薬でもよくあるような胃腸障害や、肝機能障害の副作用もありますが、それ以外に気をつけるべき副作用があります。

それが、

 筋有害事象(SAMS)です!

筋有害事象(SAMS)は「スタチンが原因となって出現するすべての筋肉の症状」と言われます。

筋痛・脱力などが4.71%と最多で、他には筋肉がつったり、四肢の痛み、関節痛などです。

体幹部や四肢近位優位に左右差なく比較的大きな筋肉に表れるとされています。

スタチン内服開始から4~6週間以内に出現することが多く、まれに数年後に出現することもあります。

また、増量や薬剤の変更で症状が出ることもあります。

副作用の発症頻度としてはそれほど高いわけではないのですが、処方されてる人の数が多いので、たまに自分の外来に来る患者さんでも診ることがあります。

「ちょっと重いもの持ったからか、数日前から腰が痛くて」

とか

「何日か前から夜中に足がつるようになって」

とか

中高年だとよくあることなので、

「湿布でもください」

「はーい、わかりましたー」

って簡単に済ませてしまうことがあるので注意が必要です。

実はスタチンを先月から開始していて、スタチンの副作用のことがあるんですね。

スタチンの副作用が起こったらどうするか

では、スタチンを飲んでいて、筋肉に関する副作用が起きたらどうするのか?

まず、筋有害事象SMASが許容できなければ(つまり、我慢できなければ)中止となります。

しかし、我慢できれば良いというわけではなく、このSMASで一番気をつけなければいけない、特に重症なことに横紋筋融解症があります。

筋肉の組織が崩壊・壊死した状態となり、とても怖い病気です。

発症すると数日で症状が進行し、筋肉痛、発熱、ミオグロビン尿症などを来たし、急性腎不全や死に至る可能性もあります

0.006%で発症するとされています。

つまり、100万人に60人程。

先ほど述べたように日本では脂質異常症で200万人以上治療者がいますから今までに結構発症しかけていると予測されます。

発症しかけても中止することで発症は防げますので、実際の患者数は相当少ないはずです。

横紋筋融解症は血液検査で血清CK値が正常上限値の40倍以上(目安:1万IU/L以上)と極めて高くなることが特徴です

ですので、SMASを我慢できようができまいが、血液検査します。

血液検査で、血清CK値が正常上限値の4倍以上(500IU/L以上)10倍未満(2000IU/L未満)なら、要注意です。

SMASがなかったとしても2週間~4週間後に再検査をおこなって500未満になってなければ中止と判断します。

(以上、MedicalTribune2018/08/16から抜粋改変)

私は横紋筋融解症は遭遇したことはないですが、血清CK値が高くなってスタチンを中止した患者さんは何人かいます。

スタチン飲んでて、足がつった、筋肉痛は要注意!」です。

まとめ

高脂血症(脂質異常症)は中高年でよく診る病気で、生活習慣の改善でも良くならない場合は薬を使用します。

よく使われている薬はスタチンという種類で、とても良い薬ですが、筋有害事象という副作用に注意が必要です。

スタチンを飲み始めてから筋肉痛や、足がつったり、筋肉がおかしい症状には注意しましょう。

特に重症となると命にかかわることもある横紋筋融解症になる可能性があります。

以上です。

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