残薬はみんなのお金を無駄にしている!

こんにちは、くらげプロです。

みなさん、病院で処方された薬はちゃんと飲んでいますか??

体調が悪くて処方されてる薬は患者さんもちゃんと飲んでくれますが、症状のないような慢性疾患(高血圧や脂質異常症など)だと言われた通りに薬を飲んでくれてないことは結構あります。

「悪くなっても自分のせいだし、文句言わないよ。」

という患者さんもいますが、ご自分だけマイナスならまだしも、あなただけの話ではありません。

今回は、処方された薬を飲まないで余ってしまっている『残薬』の話です。

薬を余らせてる人は多い

昨日の外来での出来事

くらげ「では、いつもと同じ薬出しますが、飲み忘れとかで余ってる薬はありませんか?」

患者「あー、晩の薬は忘れちゃって結構余ってますね。」

くらげ「んー、これは○○の治療薬で飲んでないので数値も下がってこないんですね。しっかり飲みましょう。では、今回この薬だけ日数減らして出しますので、どれくらい余ってますか?」

患者「いや、一月分くらいはありそうだけど、出しといてください。」

くらげ「いやいや、他の薬と一緒に一月分出したら、ずっとそれだけ余るじゃないですか。もったいないから。」

患者「それでいいから出しといて」

くらげ「あなたはよくても、保険処方はみんなのお金で出してますからね。無駄にはできないんですよ!」

ということがありました。しかも珍しいことではなく、毎月のように患者のどなたかには言ってる気がします。

このように言っても、ほとんどの方が理解されません。不機嫌になる方もおられます。責めているわけではないのですが。

一度ケンカしてから来なくなった患者さんがいて、私は来なくてもいいのですが、なんら互いにプラスに寄与する時間にならなかったので、反省して、以後はやんわり言うようになりました。

でもやはり言わないといけません。どうしてかわかりますか??

医療費の9割はみんなのお金で支払われている

日本は国民皆保険という全員加入の医療システムです。扶養の方や免除されてなければ毎月保険料を払ってます。また窓口負担分も1~3割あるため、自分のお金で医療を受けてる感覚の人が多いのかもしれません。

しかし、年間医療費の財源構成比を見てみますと(厚生労働省資料より)、

医療費が約43兆円のうち、患者負担は約5.4兆円と、1割ちょっとということです。もちろん、これは医療費全体のことなので個別には当てはまりませんが、考え方として間違ってるわけでもありません。

かかっている医療費の、ほとんどがみんなのお金(保険)であり、さらに言えば、みんなのお金どころか、半分近くは税金が投入されており、ということは国の借金=将来の子供達のお金 でもあります。

考え過ぎと思いますか??

日本全体で余って捨てられる薬がどれくらいあるか資料を調べてみました。

余っている薬をなくすとどれくらいの医療費削減になる?

H27年厚生労働科学特別研究「医療保険財政への残薬の影響とその解消方策に関する研究」によると、

残薬削減の取組みによって、年間数百億円から、3000億円以上の削減効果が期待される。

とのことです。

全医療費年間40兆円超えのうち、数百億円は0.1%ほどでしょうが、借金大国である日本では無視していいわけではありません。

浮いたお金はどんどん子供や将来世代のために使ってほしいです。

一番の問題は。。。

一番問題だと思うことは、患者さんだけではなく、医療者側もあまり関心がないことです。

なにせ、患者さんに「医療費がどうで、、、」なんて言ったって、プラスの感情をもたらせることがほぼないからです。

投薬だけではなく、検査にしても、外来ではやればやるだけ病院の収入になります。ましてや目の前の患者さんに良く思われないことをあえてやるインセンティブはわきません。

これは医療制度・システムの問題です。

世界に誇る日本の素晴らしい医療制度は、今後維持するためのお金がなく、システムそのものを変えなければいけないのですが、誰も嫌われ役になりたくないため改善できず、ゆっくり崩壊していくと思われます。残念です。

自分はペシミストなもので笑

また、残薬を減らすことはお金のことだけではなく、

・期限切れなどの安全性が危ぶまれる状況を防ぐことができる

・同じもの、類似の薬剤を重複して内服してしまう危険を防ぐことができる

といった効果もあるようです。

まとめ

医療費というのはみんなのお金で成り立っているので、薬を余らせてしまうことは、みんなのお金を無駄に使っているということです。患者さんも医師も少しでも無駄な医療費を使わないように気をつけましょう。

関連記事です。

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